幻水

□★淡雪
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はいいろの、そら。

そこからふわふわとおりてくる、ゆき。


淡雪


クールーク付近とはいえ群島にまさか雪が降るとは。
窓を覗けばゆっくりと柔らかく落ち、海に呑まれていく白。

キリルは久しく見る雪に黄金の瞳を細めたが、当然ながら群島出身者が多いこの船の中では、外に出るわけでも戦闘があるわけでもないのにマントを着込んでいる者もいた。

なる程、腕が剥き出しの服装には今日の天候は流石に酷だ。

そう言えばと思い立って、周囲を見渡すが心当たりのある所を、手当たり次第向かってみても彼の姿はなくて。

(おかしいな)

海上にいるのだから船内にいることは間違いない。そこまで考えを巡らせてまさか、と一瞬固まる。床を蹴った足取りは先程よりも心なしか速かった。
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