long story

□前編
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「裕翔?」
「…あ、山ちゃん!」
「えっ! 山田くん!?」

どうしよう。見られたかな。凶暴女とか思われたかな…。

「山ちゃん助けてよー。ゆい姉ちゃんが…」
「バカッ! 裕…」

あたしが言いかけたとき、山田くんは裕翔とあたしの顔を交互に眺めた。

「え? この人裕翔のお姉さん?」

少し意外そうだなぁ…。

「そうだけど…?」

裕翔がそう言うと、山田くんはあたしの顔をじっと見つめた。

ヤバイよぉ…今絶対顔赤い…。

「…キレイだね」
山田くんは少し恥ずかしそうに、小声で裕翔に言った。

今なんてゆった?

あたし、キレイって言われた?

しかもただキレイって言われただけじゃない!
あの山田くんに言われたんだ!!!

「や…やっだぁ! 山田くんてばお世辞が上手いねぇ!! や、でも実はお世辞じゃなかったりしてぇー! あはははっ!」
「フツーにお世辞でしょ」
「裕翔! 殴るよ!!」
あたしが睨んで怒鳴ると、裕翔はいじけてほっぺを膨らました。
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