long story

□前編
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次の日学校に行くと、校門で山田くんに会った。

「あっ……」
「あ、裕翔のお姉さん!」

覚えてくれてたんだ。

「お、おはよう…」
「おはようございます」

山田くんは、雑誌でよく見る飛び切りの笑顔で言った。


ヤバイ、キュン死寸前…。

「あ、あのさ…あたし、ゆいだから……『裕翔のお姉さん』よりそっちで呼んでもらいたいかなぁ…なんて……」
「あぁ、はい! じゃあゆい先輩で!」


ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

なになにこの笑顔!?
ひょー! ひぇー!! 嬉しいけどビックリー!

「……ゆい先輩? 大丈夫、ですか?」
「え、あ、うん! ごめんごめん。…あの…途中まで……一緒に行ってもいいかな……?」
「はい!」

うそみたいだ…。
今あたし山田くんと隣同士で歩いてる。

年下なのにあたしよりちょっと背高い…。
髪もサラサラだあ…。
あ、なんかいい香りもする…。
目なんかクリクリで二重で。ゆで卵みたいな肌してて…。
まつげも長い……。

幸せ……。
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