long story

□Loved... 1
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帰りのSTが終わって、あたしは一人の男子の席に行った。

「慧! かーえーろ!」
「おうっ」

篠嵜ゆい17歳、ただいま幸せ真っ只中!
『伊野尾慧』はあたしの彼氏。
もうね、今ね、ちょーラブラブ!!
慧は顔カワイイし優しいし、他の女子とはあんま喋んないから不安になんないし…サイッコーの彼氏です!

でも…

「ちょおっと待ったぁぁぁ!!!」

でたな。
大貴。

「伊野尾ちゃん抜け駆けなんてズルイぞっ! ゆいだってたまには俺と帰ってあげよっていう心くばりをだなあ…」
「ぶぁーか大貴! あたしたちは付き合ってんだから。一緒に帰るのは当たり前でしょぉ? ね、慧!」
「まぁねぇ」
「…なんだよー! 二人でラブラブしちゃって…このバカップル!!」
「バカップルで結構ですー! あんたも早く彼女作りなよ!」

いつもみたいにからかってやると、やっぱりいつもと同じ返事がきた。

「オレが好きなのはゆいだけなのっ」
「あーはいはい。そうですか」

もう聞き飽きちゃったし…。
ま、でも何言われたってあたしは慧一筋だけどね。

「ねー、今日あたしがご飯作ったげる」
「ほんとに!?」
「うん! 慧の家行ってもいい?」
「…いーのおっけい!」
「あははっ! 慧かーわいーい」

なーんて熱愛オーラむんむんの会話しながら教室を出た。
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