long story

□Loved... 4
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「………戻っ…た…?」










後ろで先生が呟いた。









機械を見ると数字が0じゃなくなってた…。












生き返ったの?



「お願いします、もっと声掛けて!!」


先生に言われて、あたしはまた叫んだ。

何度も、何度も…。











「慧頑張って……また一緒に海行こうよ!! 慧!!」












その時ぴくんと指が動いた。




「…慧!?」
「どうしました!?」
「今……指が…」




「……ゆい……?」









慧が掠れた声で言った。

もうそれはほとんど声になってなくて……
だけどたしかに言った…。


ゆい…って……。











「いいぞ! このまま回復してくれれば……」

先生達が頑張ってる横で、あたしは慧の手を握ったままボー然とするしかなかった。







キセキ、ってあるんだ…。









「…ゆい……」


また慧が呼んだ。





「………ん…」
「…え?」



何か言ったみたいだったけど、上手く聞き取れなかった。





「なに…? 慧…なんて言ったの?」





















けれど、慧はもう目を覚ますことはなかった。
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