long story

□Loved... 4
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「…ゆいさん……」

慧のお母さんは、あたしの頭を撫でてくれた。


「ごめ…なさい…今更泣いたって…もう遅いのに………」

お母さんは首を振ってあたしを抱きしめた。

その優しさにまた涙が溢れ出す…。

「…あたし……慧とケンカしたまま………謝らなきゃいけないのは…あたしだったのに…」













もう…泣きすぎて頭痛い…。






「警察の人から電話もらってね…飛んできたんだけど……こんなことならずっと東京にいればよかったわ…。私が身代わりになれたのに……」
「…そんな…」

慧のお母さんはあたしを見て微笑んだ。

「慧に電話するといつも、必ずゆいさんの話が出てたわ……ホントに大好きだったみたいね…」






慧…。



そんなに想ってくれてた慧に、なんであたしは全て話さなかったんだろう……。

全部打ち明けてれば……まだ少しは違ってたのかな…。











慧のお母さんはまだ警察の人と話があったみたいで、あたしたちは別れた。
トイレに入って鏡を見ると、目の周りが真っ赤だった。
顔を洗ってもまだ引かない…。



仕方なくジュースを買って目に当てた。
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