long story
□Loved... 4
1ページ/10ページ
ケータイが一瞬だけ震えた。
――――ゆい…。
「へ?」
…思わず後ろを振り向いた。
慧の声が聞こえた気がしたんだけど…。
近くにいないのにそんなことありえないか。
「…はぁ」
慧があんなことするなんて信じられなかった。
でも、嫌だって思ったはずなのに…何をしてても考えてるのは慧のことばっか…。
「慧………」
なんか泣きそう…。
枕に顔をうずめたその時、またケータイが鳴った。
今度は一瞬だけじゃない。
ディスプレイを見ると……
「慧!?」
うそ…。
どうしよう。どんな声で出ればいいわけ!?
「……もしもし…?」
恐る恐る出ると……
《篠嵜ゆいさんですか!?》
聞こえてきたのは女の人の声だった。
! まさか慧…浮気!?
「あ、あの…どちら様…ですか?」
《あとで説明します! お願いします、早く来て下さい!!》
「え? …え?」
あたしは、その人に言われた病院に向かって走った。