short story

□&Love
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…いつものことだけどさ…疲れた…。

2時間もすると、ゆいの両腕は袋でいっぱいだった。

「よーし。次は食料品だ!」
「まだ行くんだ…」
「え?」
「や、なんでもない」
「ハンバーグ作って持ってってあげるからさ!」
「ほんと!? じゃあ行こ!!」

ハンバーグだ!
ゆいの作る料理はサイコーだから楽しみだぁ!

「…あれ? 裕翔じゃん」

後ろから声がした。
振り向くと…

「大ちゃん!」
「よっす。…彼女?」
「うん…まぁ。…っていうか大ちゃんさぁ」
「ん?」
「主婦?」

大ちゃんは腕にカゴをぶら下げて、右手には電卓、左手には財布を持ってた。

「いやぁ、だって計算は大切だぞ。やってみると意外とやめらんなくなるし! 裕翔もやってみろよ」
「いや! オレはいい!」

そんなダサいこと出来ないよッ!

「ふーん…。あ! タイムバーゲン始まる! じゃあな裕翔!!」

大ちゃんはそう言うと疾風のように去っていった。

「…変わった人だね」
「……ほっとこ。気にしない方がいいよ」

ヒョウ柄パンツを買うために頑張るおばちゃんみたいな大ちゃんはほっといて、ひき肉のコーナーに行った。
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