long story

□Loved... 5
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あの女の人が帰って、安心からか恐怖からか足の力が抜けてその場に座り込んだ。

「うおっ!? ゆいっ!!?」
「……ご…ごめん…力抜けちゃって…」
「…大丈夫か?」
「うん……ごめんね…」
「…ゆいは悪くないだろ。…オレも…もっと早く追い払っときゃよかったな…」

大貴はばつの悪そうな顔で言った。

なんで?

大貴は十分だったよ…。

ホントは『消えてくれ』って言いたかっただろうけど…ちゃんと『帰ってくれ』にしてた。
慧の時みたいにもう悔やまないように…だよね?

でも、あたしは上手く言えなくて、首を振ることしか出来なかった。
それでも大貴は笑ってくれた。


「…立てるか?」
「うん…ありがと」

大貴はあたしを玄関のドアの前まで連れてってくれた。
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