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□【Ryosuke】
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「涼介……」
《ん?》
「あのね…。言いたいだけだからね。言ってどうして欲しいとかじゃなくて、とにかく言いたいだけだからね」
《なになに? どしたの?》



「……会いたいよ…」


《………え》
「…会いたいよ涼介…」

声を聞くたびに募るこの想い。
想いはそのまま言葉となって、涙となって、溢れ出す。

言って困らせてしまうのは分かってる。
だけど…



《俺だって……》
「……っ」
《俺も、ゆいにすっごい会いたい》
「………うん…」
《何日かの休みがあればすぐ飛んでくから。
…だからそれまで待ってて?》
「…うん……あのね?」
《ん?》
「わがままな奴って嫌いにならないでね?」
《あはは! ならねーよ!》
「…うん…ありがと」
《いーえ。…あ、じゃあ明日も早いからさ、ごめんね》
「あぁ、うん。分かった。いつも電話ありがとね」
《おぅっ! じゃ、おやすみ》
「おやすみ」



パタン、とケータイを閉じて枕元に転がした。
何をしてほしいってわけじゃないって言ったのに。
やっぱ涼介は優しいね…。



でも、Hey!Say!JUMPのメンバーが簡単に長い休みを取れるはずがなく…。
電話とメールの日々は続いた。

《ごめんな、ゆい。なかなか長い休みが取れなくてさ…》
「いいよそんなの! 涼介の気持ちだけで十分だから」
《うん…》


寂しいは寂しいよ、やっぱ。
けど、涼介があたしと同じ気持ちでいてくれるってことが嬉しいから…。













けど、『その日』は思いの外早く訪れた。




 
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