short story

□あの日、あの時、公園で
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「じゃむーあんー行くぞー」

玄関で靴を履き終えて、名前を呼ぶと、すぐにリビングから飛び出てくる。
首輪にリードを付けて、外に出る。

「晴れてよかったな!」

俺がそう言うと、2匹もそれに応えるように俺を見上げる。

行き先は近くの公園。
芝生のスペースが広くて、犬と遊ぶにはもってこいの場所。
足を地面でトントンと慣らして、俺と2匹は公園目指して走った。








公園に着いた頃にはもう息があがってたけど、じゃむとあんは遊ぶ気満々だった。

「よっし……しょーがねぇ投げてやるか」

犬相手をいいことに、俺は偉そうに言ってみた。
カバンの中からボールを取り出して投げようとした時、足元に違うボールが転がってきた。

「…ん?」

拾い上げて見ても、やっぱり自分のじゃない。

「すいませーん!」

ボールを眺めてると、転がってきた方向から女の子が走ってきた。
見たところ…俺より1、2歳年下かな。

「ボールすいませんっ」
「ん…あぁ。これ?」
「はいっ! ありがとうございます!」

…第一印象は『カワイイ』だった。
思えばこの時から、一目惚れしてたのかもしれない。
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