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□【kei】
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それにしてもマジで暑いな…。

結局、ウダウダ言いながらも1番近いスーパーにアイスを買いに行くことにした。
…って言っても自転車で10分くらいのとこだけど。



暑さにムカついてペダルを思い切り漕ぐと、風が気持ち良かった。
いい具合に顔の横を風がかすっていく。






けど暑い中そんなに漕いだから……

スーパーに着いたらドッと汗が出てきた。

早いとこアイスのコーナーに行かないと死んじまう…。

ホームランバーのファミリーアイスを選んでレジに行こうとしたら、見覚えのある後ろ姿があった。
レジに並んでる。

「…んー?」











!!!!!!!!!!!

なんとミラクル!!

篠嵜じゃん!!
うわ、うわ、うわ!
なんか心臓がドックンドックンと…。

「…ぁ…ぁ、ぁ、あ! 篠嵜!?」

あたかも今気付いたかのように声を掛ける。
バレバレだったかな…。

「あ! 伊野尾くん!」
「篠嵜ん家ってこの辺なの?」
「そうだよー。ここから歩いて5分くらいのとこ」

近っ!!
っていうか…そんな顔で話すなよなっ!
すっげーなんか…なんとも言えないドキドキ感が…。

「伊野尾くんは?」
「……」
「…おーい?」
「…へ、あ! え? な、なに?」
「家だよ、うち! 何ぼーっとしてんのー!?」

篠嵜は笑いながら、何気なく俺の腕を軽く叩いた。
いわゆるボディータッチってやつだけど…篠嵜の手が触れた瞬間、ぶっ倒れるんじゃないかってくらいドキンとした。

やばい…やばいやばいやばいやばい!
何とかして落ち着かないと…。

「お、俺んとこは…自転車で10分くらいのとこで…」
「へー。あたしの家より遠いんだねぇ」

篠嵜は、やっと空いたレジ台の上にカゴを置きながら言った。




 
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