short story

□Fighting
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光くんの言葉はあんまりしっくり来なくて、なんか不完全燃焼だったけどとにかくあたしは走ることにした。
朝早くに30分、学校のグラウンドで1000m、夜帰ってから20分。
めちゃくちゃ辛かったけど、頑張るからには結果を残したい。


大事なのは結果じゃない…。


だけど…結果残せなくちゃ意味ないんだ…!



「はぁ……はぁ…はぁ……」


河原の2本目の橋を越えたところで、あたしは草の上に寝転がった。

体育祭まで…あと3日。

頑張らなきゃ…。みんなに罵倒されたくない。


みんなが1000m走りたがってないことは分かってた。
だからあたしが入れられた。
そこまでクラスに馴染めてないあたしを。
理由は簡単。その日休んでたから。もう決まった、で押し通せば嫌でも受け入れるしかない。

結局のところ、利用されたんだ…あたしは…。


どうせ誰でもいいから入れとけって感じで入れられたんだ。
だからみんなの目に物見せてやりたい。だから頑張るんだ…。



「はぁ……っよし!」

起き上がってまた走り出す。
1000mなんてすぐだ!














体育祭はもう今日…。
大分タイムはよくなったと思う。


校長の挨拶の時にも、あたしの頭の中にはリレーのことしかなかった。









「ゆい、何してんだよ。行くぞ?」

リレーに出るクラスの男子に声を掛けられて、やっと自分も行かなきゃいけないことに気付いた。

「…とにかく渡すときもスピード落とさないように……」
「おまえら絶対転んだりなんてすんなよ!?」

あたしの前で話してるけど…頭に入ってこない…。
ヤバイ…緊張しすぎてお腹痛い…。
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