long story

□Loved... 8
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光に話を聞いてもらってからしばらくして、オレはミーティングルームに戻った。
すぐにみんなに謝ると、何事もなかったかのようにケロッとしてて、簡単に許してくれた。


それから話し合いが始まったけど、メンバーが1人居なくなって…それは簡単に埋めることのできる穴ではなくて。

結局どうすればいいのか全く分からずに、3時間後には解散した。




知念と話しながらビルを出る。

「…なぁ知念」
「なに?」
「もしさ…例えばなんだけど」
「うん。なに?」
「例えば…死んじゃった人の彼女を好きだった時…知念ならどうする?」
「……それって…伊野尾ちゃんのこと?」
「いっ、いいだろ誰でも! とにかく答えろよっ!」

そう言うと、知念は横でうーんと考え出した。

「…僕だったら…女の子のことを考えたら今はそっとしといてあげるかな」
「へぇ。…そっか」
「だって自分の気持ちばっかなのは男としてどうなのかなって」

…たしかに。

「そんなんじゃ男らしくないもんねっ」

知念は笑顔でオレに言う。
やっぱ知念は優しく可愛く見えても……毒を吐く。

何も知らずに言ってんのかな…。
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