short story

□★Dramatic Romance★
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だけど、

そう思ったところで役が変わるわけじゃないし、撮影はどんどん進む。



「…姉ちゃん…俺分かんないんだ…」
「え、なにが?」
「俺はホントにあいつが好きなのかな…」
「けど、前はあんなに大好き大好き言ってたじゃん…」









「ちょっと…ストップー! 止めて止めて!」

急に監督が叫んだ。
そしてあたしの名前が呼ばれた。急いで監督のほうに駆け寄る。


「ゆいちゃんさぁ、もーちょっと感情込めれないの? 棒読みに聞こえちゃって仕方ないんだよね」
「え…す、すみません…」
「とりあえず休憩にして、ちゃんと練習してきて」

……監督の言葉が痛い。
怖い。言葉の所々に刺がある。

「…すみません……」

そうとだけ言って、あたしは休憩所に入った。
当然撮影も休憩。
みんなに迷惑かけちゃった…。

そうだよ。
監督の言葉に落ち込んでる場合じゃない…!

「よしっ!」

気合いを入れて台本を出す。
出来る限り感情込めるように頑張ってはみるんだけど、やっぱ一人じゃ上手くいかない…。



と、そんな時、休憩所のドアが開いた。
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