short story

□with you
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オレの前に座ってる子。
篠嵜ゆい。

ずっと片思いしてきた。
小学生の時から。
中学最後の年になっても、やっぱりゆいしか見えない。


だから前の席に来た時、心臓が破裂するくらいドキドキして、頭がおかしくなるほど嬉しかった。

「ちょっと見せて」
「え」
「ノート。黒板見にくいんだよね」
「あ…あぁ。うん」

いい匂いがしてる。
小学生の時には感じなかった女っぽさが出てきて、最近少し不安になる。
他の男に取られんじゃないか、って。

「…涼介? 何ボーッとしてんの?」
「……」
「涼介っ!」
「え、あ、あぁ」

オレが顔を上げた瞬間、先生と目が合って…

「二人は仲良しさんだな」

口調こそ優しいものの、顔は笑ってない先生は1番怖い。
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