short story![](http://id17.fm-p.jp/data/104/yuinovel/pri/91.gif)
□with you
3ページ/9ページ
「もー。なんであたしまで…」
「仕方ねーじゃん。さっさと片付けて戻ろ」
ゆいの手には画鋲とテープ、オレの手にはポスター。
喋ってた罰として、オレ達は先生の仕事であるポスター貼りをさせられることになった。
30枚はあるから、1時間掛けて校舎中回って貼付けてこいってことなんだと思うけど。
オレにとっては嬉しい。
だって二人だけの時間をもらえたんだから。
「…ゆい」
「ん? …あ、裕翔」
振り向くと、嬉しそうに手を振るゆい。
その視線の先には3組の中島裕翔が居た。
中島もゆいを見て恥ずかしそうにしながら手を振ってた。
「何してんの?」
先生にバレないように中島が小さな声でゆいに話し掛けた。
「罰受けてる途中なの。喋ってるとこ先生に見つかっちゃって」
「…大変だね。頑張れ」
中島が笑顔をゆいに向ける。その間オレはずっとかやの外で。
少しくらいヤキモチ焼くわけで。中島が、憎く感じた。
「さて、と。じゃ、あたしらそろそろ行くね」
「うん。じゃね」
中島と別れて、オレ達はポスター貼りを続けた。