long story

□Loved... 9
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「ってか結構時間ヤバイんだ。早く行かね?」
「あ、そうだよな。ゆい、伊野ちゃんが遠回しにどけって言ってるぜ?」
「えぇっ! …慧…ヒドイ…」
「えっ、ちがっ…ばっか…言ってねえよ!」
「あはははっ」
「ちょっ…大ちゃん! 誤解といてけって!」





あー、すっげぇ懐かしい。この感じ。
あれからもう、ゆいのことからかったりなんて出来てないし…。

なんでか泣けてくる。
そのくらい懐かしい。

あぁ、そーだ、オレ…この3人で笑い合ってるのが大好きだったっけ。
その幸せを自分から壊したんだな…。
馬鹿だな、ほんと。




「伊野ちゃんおいてくよ!」
「えぇ、ちょっと待って……ってお前が言うなよな!!」


現実なのか、夢なのか、わからない。
けど、もうこの際なんでもいい。


オレ、やり直せるのかな?
これは、神様がオレにくれたチャンスなのかな?
それなら、もうオレはあんな馬鹿な過ちは犯さない。
あんな言葉、口にしない。





ふと後ろを振り返ると、笑ってる伊野ちゃんとゆい。
そんな2人を見て、さらに涙が溢れ出す。








神様がほんとに居るんならさ、

一生に一度の願い事。



もう2人を引きはがしたりしたくない。
もうゆいに泣かせたくない。
もうこの楽しさを奪われたくない。





…もう…、




何も亡くしたくないんだ…。
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