long story

□Loved... 9
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目が覚めると、そこはオレの望んでた世界とは違ってて…伊野ちゃんの姿なんてどこにもなかった。


じわじわと痛みが襲ってくる。


「…いってぇ……」




「……大、貴?」



「え、ゆい? 何やってんだよ…」


少し下に目を向けると眠そうな顔したゆいが見えた。
オレのベッドに俯せて寝てたみたいだ。

「よかったぁ…」
「なに、……っつかここ…病院か?」
「うん。覚えてる…?」





…あ、そうだ。
アイツらにやられて…意識ぶっ飛んだんだ。
そっか、だから全身痛いんだ。
右腕と左足は骨折してるっぽいし…。


「うん…思い出した…でもなんでゆいが居るんだよ」
「だって…急に大貴のお母さんから家に電話掛かってきたんだもん…」
「えぇ?」
「あ、お母さん呼ぶ? 外に居るけど…」
「いやっ! いい!」
「…いいの?」
「ゆいと…2人がいい」

ゆいは一瞬戸惑って目を泳がせたけど、すぐに微笑んで頷いた。

でもそこから今度は複雑な表情を見せた。




 
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