long story

□Loved... 9
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「だ…ちゃん…」







「なぁ…大ちゃん…」
















「だ、い、ちゃーん!!!」
「うわっ!?」

耳元で叫ばれて跳び起きると、目の前に伊野ちゃんの顔があった。

「え……え、え、い、伊野ちゃん…?」
「なんだよぉ。そんなお化けでも見るような顔しちゃってさ」
「だ…って…」
「俺ら今日仕事だぜ? 急がないと」
「あ、う、うん…」

なんだこれ?
伊野ちゃんがいるぞ?

とりあえず荷物をかばんに入れて、肩に掛ける。
どうやら寝てたみたいだ。
もう教室には誰もいない。

「あ、そうだ。ゆいー!」


えっ!ゆい!?

「今度の土曜なんだけどさ、仕事が昼には終わるんだ。だからその後どっか行こ」
「うん! 行く行くー!!」

聞き覚えのある声。

「あっれ? なんだ大貴いたんだ。ちっちゃくってわかんなかったー!」

そう言ってゆいはケラケラと笑う。
でもオレはまだ状況をイマイチ理解できてなくて、ただただ呆然と立ち尽くすだけ。
それを見てゆいは怒ってると勘違いしちゃったみたいで、気まずそうに伊野ちゃんの後ろに隠れた。
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