short story![](http://id17.fm-p.jp/data/104/yuinovel/pri/91.gif)
□会いたいのは君なんだ。
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トイレから戻ってきた時、明らかに薮は不機嫌だった。
「なに怒ってんだよ?」
「…お前が聞き分け悪いからだろ!」
「だから…俺はまだ帰れないって言ったろ」
「俺が代わりにやってやるっつってんじゃん!」
そこに他のメンバーも続々と帰ってきた。
「ちょっ…なにケンカしてんだよ!?」
有岡が止めに入るも、薮はまだ俺を睨み付けてる。
「光…いいから帰って寝てろ」
「いいって」
「座ってたって辛いだろ。見てれば分かる」
「うるせーな! いいっつってん……!?…」
目の前の景色が大きく揺れて、薮の腕に抱き抱えられた。
「光!? おい、光!!」
「…やっべ……はは…マジかっこ悪ぃ…」
「んなこと言ってる場合じゃねぇだろ! ちょっと…光ん家まで送ってくるわ」
薮は他のメンバーにそう言うと、肩を貸してくれた。
身体を引きずるようにして歩き出す。
でももう、歩くことすらままならないくらいフラフラだった。