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□会いたいのは君なんだ。
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帰る途中、薮は何も言わずにただ歩いていた。
「…薮、ごめん…」
「あぁ? なんだよ」
「帰れって言われた時……素直に帰ってりゃよかった、のに…」
「…ま、しょーがねぇだろ。過ぎたことだし」
「ん……」
「ほら、もうすぐ着くぞ……あれ?」
薮が急に止まったから顔を上げると、俺ん家の前で誰かが倒れてた。
「ひ、光…あれ…ヤラカシ、かな…?」
「……いや、ちがうな…。ゆいだ」
「え? ゆいちゃん?」
薮から離れ、ヨタヨタしながら近付くとやっぱりゆいだった。
「こんなとこで何してんだよ…」
「大丈夫、なのか…?」
「…俺より…ヤバイんじゃね…っつーかこんなとこ居たら風邪ひくだろ……」
ゆいをおぶって家に入ろうとすると、薮が慌てて追い掛けてきた。
「お、お前何考えてんだよ!?」
「は? 何って……」
「どっちも風邪とか…マジくたばるぞ?」
「…大丈夫。俺段々元気になってきたし…」
「んなわけねぇだろ!」
「いいから仕事戻れよ…。あ、それとありがとな。ここまで来てくれて」
「いや、そんなのいいけど…」
「じゃ!」
そう言って家に入って、鍵を閉めた。
ドアの外ではまだ薮が何か言ってるけど、俺はそのまま部屋へと急いだ。