long story

□Loved... 10
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思わず出てきちゃった…。




だって…、だってだって…
急に大貴があんな笑顔見せるから…。
何故かドキンってして、慧の時みたいに心がキュンってなる感覚。







とりあえず…落ち着かなきゃ。


あたしは顔を洗うためにトイレに向かった。鏡を見てみると、まだ顔が赤い。

「もーっ!! やだやだやだやだ!!」

しっかりしなきゃ。
あたしは慧が好きなの!
流水でバシャバシャ顔洗って、ほっぺをパシパシ叩いて、また病室に戻った。


「…あ、大丈夫だった?」

ドアを開けると大貴がこっちを振り向く。
キラッキラ輝くはにかみ笑顔。
今までこんなにまじまじと見たことなかったから分かんなかったけど…やっぱカッコイイんだなぁ…。

窓から夕日が差し込んでる。
あ、そっか。多分輝いてるのは夕日のおかげなんだ!


「ゆい?」
「え、あ、はい!」
「へーき? 疲れてたら帰っても…」
「ううん! 大丈夫!!」
「そっか?」
「うんっ! …あ、そうだ! リンゴ剥いたら食べる?」
「おうっ」

大貴の笑顔を直視できないまま、あたしはリンゴへと手を伸ばした。





 
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