short story
□only you
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動物園に入っても一向に雨は止もうとしてはくれなかった。
あたし的には圭人にくっついていられるからいいんだけどね？
「…圭人、肩濡れてるよ」
「あー…俺は…ほら、幅あるから」
「え、そーゆー問題？」
「違うのかな？」
「違うよ！ 全然違うよっ！」
「でもゆい濡らすよりいいじゃん」
サラッと言ってのける圭人。
なんでこんなにジェントルマンなんだろーか？？
「……ありがとう、圭人」
「うん？ なにが？」
また気付かないふり。
わかってないふり。
でもね、あたしはちゃんとわかってるよ。
実は照れ屋さんなんだよね。
そんな圭人のこと、大好きなんだよ。