short story

□only you
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「けいとーっ!!」
「あ、ゆい!」

動物園の前で待ってた男の子に声をかける。
あたしの彼氏、岡本圭人。
天然だけど紳士的で、キリッとクールな顔してると思ったらマヌケな行動する子。

「ごめんね、お待たせ」
「大丈夫。全然待ってないよ」

ベターな会話を終えると、圭人はあたしの上で、さりげなく傘をさしてくれた。
そっか。
雨降ってる…。

「あ、ありがとう」
「ん?」
「……ううん。なんでもない」

圭人の中では当たり前、なのかな?
でもあたしには一生懸命どうってことないって顔を決め込もうとしてるように見えたから、それ以上はなにも言わないことにした。


 
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