short story

□キミのウソ
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《ごめん、今日行けそうにないや…》


侑李に初めて約束を破られました。
1週間前からデート…的なものの約束してたのに。

《なんで? どうしたの?(>_<)》
《叔母さんの家に行くことになって…。ほんとにごめんねm(__)m》

…おかしいんだよねぇ…。
あの侑李が『叔母さんの家に行く』ってくらいで約束を破るかな?
侑李は約束はよっぽどの事がない限り破らない子だし。



なーんか心配だ……ってことで、あたしは決めた。
『勝手に侑李の家に押しかけてしまえ大作戦』。
一回行ったことあるから道はなんとなーく覚えてる。

少し迷いながらも無事知念家に着くことができた。
今更躊躇いながらインターホンを押す。
…が、手応えのなさは明瞭。

「……壊れてるし…」

仕方ないからドアをノックして「知念さーん」と呼んでみた。





返事なし。





叔母さんの家に行くっていうのはホントだったのかな。
だとしたらあたし、かなり間抜けな図になるね。
誰もいない家に向かって呼びかけたりしてんだから笑い者だよ…。


「はぁ…」

ため息ひとつ。
だってね、楽しみにしてたんだよ。
約束した日にあれこれ決めて…一昨日とか昨日とかなんてほとんど寝れなくて…。
そのくらい楽しみにしてたんだ。
けど―――……

「…帰ろ」

そう呟いて後ろを向いた直後、鍵をガチャンと開ける音がした。
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