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□Loved... 11
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大貴はそのまま続けた。
「結局伝えず仕舞いだったけどな」
そんなあたしのショックを知ってか知らないでか、大貴はハハッと笑った。
「こんな話ゆいにしてもしょーがないんだけどさっ! なっ! ごめん! 忘れて!」
そう言ってからも、大貴は時折寂しそうな、辛そうな表情を見せた。
それから何日か経ったある日、あたしはいつものように大貴の病室のドアを開いた。
そこで目に飛び込んできたもの。
それは、大貴のベッドの横に自分のベッドをくっつけている沙緒ちゃんだった。
仲良さそうに話してる…。
「…だ、大貴…」
「あ、ゆいさんっ!」
沙緒ちゃんは相変わらず無邪気な笑顔であたしに手を振った。
大貴も「おう」と片手を挙げて挨拶してくる。
「沙緒、ちょっと…」
大貴は沙緒ちゃんに外へ出てくれるよう促した。
でも沙緒ちゃんは出ていく様子を全く見せない。
「やーだっ。大ちゃんと居る!」
「お前…約束したろ? ゆいが来たら2人の時間くれって…」
「気が変わっちゃったんだもーん」
まるで見せ付けるかのように大貴にくっつく沙緒ちゃん。
ベッドが隣だからそんなことたやすく出来てしまうみたいで…。
「……っ」
思わず病室を出て中庭へと走った。