long story

□Loved... 11
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それは突然訪れた。
なんの前触れもなく。






ある日、あたしはいつも通り大貴の病室へ向かった。
ふと、ドアの前で立ち止まる。
女の子の声が聞こえる…。


大貴のお母さん…ではないよね。
こんなシチュエーション前にもあったけど。


じゃあ誰…?





悪趣味と自分で感じながらもドアに耳を近づける。

「あはははっ、もーやだぁ大ちゃんってばぁ」
「ははは! なんだよ、お前もだろ?」
「さぁはそんなヘマしないよぉ」
「いーや知ってんだからな! お前がドジなことくらい」
「ふふ、大ちゃんはさぁのこと全部分かってくれるねっ」

ずきん…と胸が痛んだ。
突き刺さるような鋭い痛み。
楽しそうな声で、あたし以外の誰かと…。








はっとして首をブンブン振った。
何を自惚れてるんだろう。
あたしはまだ大貴とただの友達なんだ。
思い上がりも甚だしいな。恥ずかしくなるくらい。

だけどやっぱり胸の痛みは消えなかった。







 
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