short story

□聞こえてますか、大好きだよ
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「さっびー」
「うん…寒い…」



冬真っ只中。
あたし達二人は、積もる雪のなか震えながら歩いてた。

あたしと光はただの友達。それ以上でも以下でもない。
今年初めて同じクラスになって、何故か二人で行動するようになった。
…多分、面白いことばっか言うから楽しいんだよねえ。

「っつかもーすぐ冬休みじゃん」
「あと1週間ないよ」
「予定は?」
「……まぁ、ほどほどに」
「どーせ無いんだろ?」

光が見下すような視線を送ってくる。
まあ身長が違うから仕方ないんだけど!
なんかむかつく!!

「うるさいっ! 光だって無いんでしょ」
「失礼な。お前と一緒にすんなよ、俺人気者だもん」
「嘘付け! こないだ手帳真っ白だったよ」
「え、おまっ…見たのかよ!?」

面食らった顔する光に、雪を投げ付ける。

「ざまーみろっ」

舌を出して『あっかんべー』してやった。
それから雪の上で少しじゃれ合ってから、また歩き出した。



「あー。肉まん食いてぇなぁ…」
「いいねぇ」
「…行くか」
「おーう」




 
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