short story

□聞こえてますか、大好きだよ
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次の日、学校で会った光はなんか変だった。
終始だるそうな顔で、教室移動の時なんて足元フラフラで…。



「…光」
「……」
「光っ」
「…あ? ごめん、何?」

暇な数学の授業中に話し掛けてみてもこの反応。
いつもなら即変顔するのに。

「あんた大丈夫?」
「…おう! ぜーんぜん平気っ!」



…絶っ対大丈夫なんかじゃない!
あたしでも分かるもん。
死にそうな顔して平気なんて言うな、ばか。
数学が終わってからの放課も同じ。

「次体育だけど…」
「あぁ、うん。バスケだろ? 楽勝だな」

強がっちゃって。ホントばかだ。

「保健室で休んだ方が…」
「いや、大丈夫! マジで!」
「だけど…」
「いーから!! 大丈夫っつってんじゃんかよ!」






…そう怒鳴った光は、すぐに申し訳なさそうな顔で謝って着替えに向かった。








だけどやっぱりあたしの考えは当たってたみたい…。
光が倒れて保健室に運ばれたって聞いた時には心臓が止まるかと思った。
いてもたっても居られなくなって、体育の授業でちょうど休憩の時に保健室へと走った。



 
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