long story

□SEVENSH STORY 0
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「ぐはっ……」

ガシャン、と金網にもたれ掛かる音が響いた。


むしゃくしゃしてた。
だから気に入らない奴らを片っ端からボコッた。
それだけだ。

気が付けば俺の周りには男5人が倒れてた。

「…ざまーねぇな」

その場を去ろうとした時だった。
微かに笑い声が聞こえた。

静かに立ち止まる。


見回してみても、俺がボコッた奴らしかいない。

「……誰だ?」

空間に向かって呟くように言う。
一瞬風が吹いた。

「あははっ」
「…っ!?」

すぐ後ろからさっきの笑い声。
急いで振り返った。


――誰もいない。
でもまだ声は聞こえてた。

「おい!出てこいよ!!」

イラつく。
ただ俺の声が響き渡るだけだった。

「ちくしょ…なんなんだよっ」
「見つけることもできないのかよ?」

また後ろから同じ声がした。
振り向く。

が、やっぱり誰もいない。

「いい加減にしろてめぇ!!」
「あははっ」

今度は上から聞こえた。
見上げると金網の上にちょこんと座る……子供?



 
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