long story![](http://id17.fm-p.jp/data/104/yuinovel/pri/91.gif)
□SEVENSH STORY 1
5ページ/6ページ
「ま、頑張った方じゃない?」
上から声がする。
なんとなく耳に入ってくるだけだった。
「かなり手加減しちゃったけどね」
手加減した……?
力を振り絞って腕を立てる。
プルプル小刻みに震わせながらも力ずくで起こした。
「……手加減なんてすんじゃねえよ」
きょとんとした顔で見つめてくる。
「ダッシュ、てめぇに言ってんだ…。ナメんな…!」
「ナメてんのはあんたの方だ」
チビがガレキから飛び降りて、俺とダッシュの間に立った。
「手加減なしだったら今頃、ほぼ全身の骨折れてるよ」
「……っ」
「分かった?自分の実力。ほら、さっさと帰って。邪魔」
自然と口からフッと息が洩れた。
少し経って、自分でやっと笑いだと気付く。
「分かんねぇっつったらどうする?」
背中を向けてたチビが振り返る。
馬鹿にした顔してんだろうな。
そう思ってたら意外と真っ直ぐな目で俺を見ていた。
「あんたはさ、僕を倒してどうしたいの?」
「そんなの知るか。先の事なんて考えてねぇよ」
「……無謀にも程があるよ。自分でも馬鹿らしいと思わない?」
馬鹿らしい?
そんなの思ったこともない。