short story

□いじわる
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「ゆいってすごいよねぇ」

ある日いつも通り登校してる時、友達に言われた。

「はぁ?」
「あの薮くんと話す女子なんてゆいくらいだよ」
「いや、別に話してはいないよ…?」
「あのね、1年の時薮くんと同じクラスだった子が告白したらしいんだけど…」

初耳だった。
まずそんな物好きいたんだ。

いや、あたしもだけど。

「あっさりフラれたんだって。かなり可愛い子なんだよ」
「へー」
「しかもね、フラれた言葉が、

『あんたと付き合ってどうなるんだ』

だってさ!」



――意外とあたしと似た考え方なのかも。

隣で友達が信じられないよね、って呟いてる。


よく分かってない相手に告白されてもどうしようもないし。
ホント、付き合ってどうなるの?って話なんだよね。

なんだ、ちょっと見方変わったかも。
その子には可哀相だけど。





だけど変わったのはほんの一瞬で、授業が始まればまたイタズラしてくる憎い奴に早変わり。

憎いけど好きな奴。


どうしようもないな、あたし…。

 
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