short story

□いじわる
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あたしは自分が分からない。

なんで……





なんでよりによってアイツなの…。







あたしの視線の先には若干茶髪の男子。

名前は薮宏太。

男子の中でも数人の友達と喋ってるとこしか見たことがない。
女子となんて以っての外。






……な、ハズなんだけど。


時々なぜかあたしにちょっかい出してくる。
って言っても後ろから小さい消しゴム投げてきたり、すれ違いざまにわざとぶつかってきたり。
それで顔見ると知らんぷりかドヤ顔。

最初は何が何だか分からなくてムカついてたけど、今じゃ分からないのは自分の心。

どうなってんの?


ちなみにあたしのタイプ、
優しくて爽やかでよく喋る人。


薮の顔を見てみる。


意地悪でヤンキーで無口。
だめだこりゃ。





そう、薮はヤンキーなんだ。
っていうか、にわかヤンキー?

絶ッ対ありえないと思ってた。

なのに今や、男子と話してる姿を見るだけでも心臓が大きな手に握り潰されそうになる。

困った…。
女子に同じ気持ちの子なんて居ないし。

どうしたらいいのか全然わかんない!


 
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