long story

□SEVENSH STORY 2
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ダッシュと話しながら辺りを見回す。

あの無愛想な奴がいない。



すぐ近くのカウンターの上にはジュネス。
俺の隣のソファにはダッシュ。
知念は奥の部屋にいるらしい。


「…なぁ!好きなもの!何?」

横ではまだギャーギャー言ってる。
人懐っこすぎるのも考え物だな。

「もう一人チビがいんだろ?」
「チビ?」
「なんかすげぇ冷めた目してる奴」

そうだ。
俺がダッシュと闘ってるときも、知念が俺に手を差し出したときも、どこか冷めた目をしてた。


「ツキのことかな、多分」
「ツキ?」
「もう2年くらい一緒にいるけど、掴めない奴なんだよなぁ」

独り言のように言ってきた。

「どこに居る?」
「さぁ?いつも気付くと居ないんだ」

なんでも聞けって言ったじゃねぇか。
悪態をついて睨みつける。
それでもダッシュは暢気に笑ってた。

「あ、でも夜中になると屋上に座ってるよ」

屋上…。
ダッシュの目線の先には暗めの階段があった。




 
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