short story![](http://id17.fm-p.jp/data/104/yuinovel/pri/91.gif)
□きみがすき
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篠嵜のことを誘うのすら大変になったのは、やっぱり好きになったからだと思う。
事実、家に来るって言われて口から魂抜けていきそうだし。
バクバク言い過ぎてる心臓は今にも飛び出してきそうだし。
でももう今日なんだ。
迎えるしかない。
リビング。
テレビの台にはチリ一つない。
廊下。
角の取りにくい埃まで完璧に取った。
そして1番肝心な、僕の部屋。
朝起きて最初にベッドメイキングをした。
しわもなにもなく、新品みたいなシーツ。
テーブルも顔が写るくらいピカピカに磨いた。
ファブリーズしたから匂いも気にならない。
もちろん棚の中にはお菓子を用意。
完璧だ。
いつ来ても大丈夫。
そう思った時ちょうどインターホンが鳴った。
慌ててドアを開ける。
「篠嵜っ……え?」
開けるとそこには篠嵜じゃなくて、クラスメイトの姿。
名前良くわかんない。
っていうか覚えてない。
A子ちゃん、ってことでいいや。
A子ちゃんは何故か頬を赤くして立ってた。
「ど、したの?っていうか、なんで家知って…」
「あのっ、私…」
なんとなく。
嫌な予感がした。