short story

□きみがすき
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「私……」
















中島くんが好きです






空気に溶けそうなくらいか細い声で、そう言った。


目の前が真っ白。


えーと
僕は今日大好きな篠嵜と遊ぶわけで、
でもA子ちゃんは僕が好きで押しかけちゃって。

まだ篠嵜は来てなくて…。



「良かったら中島くんの彼女にしてください!」



うそ…。
あまりの突然な展開に、首をうなだれる。




なんとA子ちゃんはそれを頷いたと取ったみたいで、急に喜びだした。


「え、わ、やった!中島くん!!!」
「え…」


顔を上げると目の前にA子ちゃんの顔。
そのまま突進して抱き着いてきた。
あまりに急すぎて受け止めきれずに後ろに倒れ込む。

「中島くん!大好き!!」

か、勘違いしてる…。完全に…。

「ちょ、ちょっと離れ…」















なんで














なんで今?


篠嵜…。







開けっ放しのドアの向こうに篠嵜の姿。

最悪だ…。


「あ、お邪魔しましたー」

篠嵜はケロッとそう言うと来た道を引き返してった。






「うそ……」


前方には虚しく伸ばされた僕の腕と、勘違いしちゃったA子ちゃん…。









……終わった。

























「中島くぅーん」
「ちくしょおおおおお」




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