short story![](http://id17.fm-p.jp/data/104/yuinovel/pri/91.gif)
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さっきまでのニコニコな笑顔は消えて、どす黒い笑みに変わってた。
「ゆいだって我慢してるくせに」
「我慢なんかっ…」
「今ならまだ許してあげる。ごめんなさいって言ってごらん」
なんでこーなるの?
さっきまであたしのが上だったのに!
でも今ここで折れるわけにはいかない!
侑李の顎を少し持ち上げる。
一瞬、意外そうな表情を見せてきた。
あたしからこんなことすんの、初めてだもんね…。
そのまま顔を近づけてく。
あたしの顔を固定してた侑李の手の力が緩まってくのがわかった。
するすると顔から離れたその手は、ただ左右でブラブラと揺れてた。
もう唇が触れ合うって時、ピタリと止まる。
「キスする、って思った?」
「…え」
「しないよ。まだお願いされてないもん」
そのままパッと離れた。
ソファに座って、侑李の様子を横目で見る。
ちらりと見たけど…
いたはずの場所に姿が見えない。
まさか。
思わず振り返ると、後ろに侑李の姿。