short story![](http://id17.fm-p.jp/data/104/yuinovel/pri/91.gif)
□S
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「ゆいー、ちゅー」
「やだ」
「…?ちゅーってば」
「だからちゅーが何?」
ちょっとトゲのある言葉で返す。
目の前には首を傾げる侑李。
でもしばらくすると、いつもみたいにニコッと笑った。
「なに、機嫌悪いの?」
「別に悪くないよ」
「じゃあ早く。ちゅー」
「そーゆー時はお願いするもんじゃないっけ?」
侑李は突き出してた唇を元に戻した。
そう、いつも侑李が言うこと。
あたしがキスしたいの知っていながら、少しSな侑李はからかってくる。
『キス、してほしい?』
『お願いしてみなよ』
『したいじゃなくて、してください…でしょ?』
あの可愛い笑顔で、あたしはどれだけお預けくらったことか!
…たまにはあたしが優位に立ってやるんだから。
「ゆいさ、僕のこと…」
侑李は急にあたしの顔を持った。
固定されて、動けない。
「僕のこと怒らせたい?」