short story

□となりのおチビさん
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「…ちぇ」

有岡が小さく呟く。
そしてあたしのほうをチラリと見た。

「な、なに?」
「女子と二人になりゃ少しはドキドキもするはずなんだけど…」
「うんうん」
「お前だと心臓止まったみたいに静か」
「うんうん、なるほどね」






って、あたしも女子やないか!



そんなツッコミの意を込めて、手ではたく。
そうすると有岡はへらへらと笑い出した。

「ま、その分気楽でいいんだけどさ」
















異変。



こう、体がズキンと…。
細かく言えば胸が…。
さらにかみ砕くと左胸が……。

し、心臓が……。



鷲づかみにされた感じ…。


こんな風になったの初めてだからよくわかんない!!
なんなのこれ!?

「おい、帰んぞ」

有岡が鞄を背負いながらこっちを見る。





ズキン。




また痛んだ。


なんで?
有岡を見ると胸が痛む…。

「なんだよ。人の顔まじまじと…気持ち悪ぃな」

ズキン、っていうかドキン?
これって…。

「おい!聞いてんのか?」

これってもしかして…

「…そこの可愛くないおねーさーん」
「可愛くないってゆーな!」
「うわっ!急に反応すんなよ!怖ぇな!」





…なんで?

 
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