short story

□可愛い僕だから
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「キャー!!」

「ちぃー!!」
「知念くーん!!」







今日もうちの学校は騒がしい。

理由はただ一つ。
学校一カワイイって言われてる、知念侑李。




一応、元彼。



いつもどおり、にこやかに手を振ってる。

侑李に手を振られた女子は、ことごとく「キュン」と呟いて倒れていくらしい。


…語尾にハート付き。




確かにね。
カワイイのは認める。
あたしもそれにやられたんだから…。


でもさすがにこれは馬鹿らしすぎるっ!!!



「ゆい、なーにしてんの?」

気付くと後ろに侑李が立ってた。

「…誰かさんは人気者だな〜と思って」
「誰かさん?」
「あんただよ、あんた!」
「あは、僕?ま、可愛いからね〜」





…このやろー。
ケンカ売ってんの?

これだよ、これ。
侑李の本当の姿を知らないんだよ、みんな。


「ゆいも可愛いって思うんでしょ?」
「…もー!別れたんだから!近くに来ないでっ!」
「ちぇーつまんないの」

手で払う振りをすると、唇を尖らせた侑李は男子の輪の中に入っていった。


 
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