「う〜ん…ないかぁ…」 「キラ、どうしたんだ?」 キッチンで戸棚を整理しながら唸っているキラにカガリが声を掛けた。 「あぁ、うん…。友達が来ることになってるんだけど…コーヒー豆の買い置き、切らしちゃってたみたいでさ…」 「…紅茶ならあるじゃないか」 「まあね。でもその友達がコーヒーの方が好きだから…なんとなく、ね」 頭を掻きながら苦笑いするキラ。 「じゃあ、私が買ってきてあげるよ」 「えっ…いいの?」 「今日はどうせ暇だしな、行ってくるよ」 タンクトップとカプリパンツ姿のカガリは、お財布を手にすると、そのまま近くのコンビニへと向かった。 Immoralities…?? vol.2 -consider the feelings- 目当てのコーヒー豆を手に取ると、レジへと向かおうとするカガリに、お菓子のコーナーが目に留まった。 「………」 少し考えて、カガリは自分が大好きなメーカーのクッキーを手に取る。 コーヒーと一緒に出してあげよう。 キラの友達も気に入ってくれたら嬉しいから… カガリはそんな事を考えながらコンビニを後にする。 …すると、出入り口の直ぐ先に見えたその人物に動きが止まってしまうカガリ。 ディープブルーの髪が靡く長身のその相手はそれに気が付き、手を挙げる。 カガリは軽く会釈すると逃げるようにスタスタと歩き出す。 「おい、冷たいなぁ…無視することないだろう?」 「頭下げたじゃないですか…ザラ先生」 先日の化学準備室での出来事以来、初めて口を利いたアスランとカガリ。 からかわれた事が本当に悔しくて、自然とカガリの口調は冷たくなり、その反応にアスランは肩を竦める。 しかも、その場から早く遣り過ごしたいカガリは早足でいるのに、何故かアスランはカガリと歩調を合わせて付いてくるのだ。 また、からかうつもりなのかと苛々してしまい、溜息を吐くとピタッと立ち止まり、睨み付けるように振り返る。 「…何か用ですか?」 素っ気無いカガリの問い掛けに、不敵な笑みを浮かべるアスランは人差し指をカガリの前に差し出す。 「目的は、君……」 「なっ!!」 |