「ねぇカガリ」 「ん〜?」 「濃密な、あっつ〜い夜の感想は〜〜??」 「!!」 体育の為、更衣室で着替えていたカガリは、隣にいるクラスメイトから耳打ちされた声に、ギクリと身を震わせた。 「ばっ、ばか!!何だよそれっ!な、何言ってるんだよ、フレイっ」 カガリは慌てて言い返すが、彼女は見透かしたように笑みながら、ソコを見ろとばかりに首筋を指先で示して見せてきた。 「…鏡、見た?」 「えっ、あ…、うそっ」 まさかと、カガリは頬を赤く染めながら、示された箇所を両手で隠してみせた。 視線だけで、チラリとフレイを窺うと、楽しそうに口許を攣り上げている。 ―――見える位置には、ダメだって言ったのにッ そんなフレイの様子に、カガリは頬を膨らして、その犯人である『彼』を非難した。 もう授業に出席出来ないと判断したカガリは、息を大きく吐き出し制服に着替え直そうとすると、隣にいるフレイは何故かクスクスと笑い出した。 「…?」 カガリはフレイを見つめながら首を傾げた。 「ウソよ」 「へっ?」 「だから、嘘。 ついてないわよ。」 一足先に着替え終えたフレイは悪びれる様子もなくそう告げると、状況が理解出来ず、固まったまま動けないカガリに、自らの予感的中が嬉しいのかニッコリと微笑み掛け、更に耳許で囁いた。 …キスマークなんて、ね。 耳まで真っ赤にして口を開いたままのカガリが、その体育の授業に遅刻したのは言うまでもない…。 |