驚いたように躯を震わせるカガリに、アスランの口角が攣り上る。 そしてその指を、カガリからずらす。 「………じゃなくて、この道の先」 言い切ったアスランは、面白そうにクスッと笑い、カガリを見つめ様子を窺っている。 「〜〜〜ッ!!」 やっぱり、またからかわれた!! 顔を真っ赤に染め、拳をプルプルと小刻みに震わせ、唇を噛み締める。 もう嫌だ。 絶対に関わるもんかっ…! カガリは、クルッと反転し全力疾走でその場から立ち去った。 ***** 「お帰りカガリ………どうしたの?」 アスランから逃げるために全力疾走したカガリは家に辿り着くと息を切らした状態だった。 「は、走って、…来たからっ…」 思い出したくもないので敢えて説明はしないカガリは買い物袋をキラに手渡す。 「ありがとう。…あ、おやつ買ってる」 「それはっ、コーヒーと一緒に出してあげようと…」 くすくすと笑うキラに、ぷうっと頬を膨らし反論するカガリ。 「はいはい。じゃあコーヒー用意するから、クッキーをお皿に移して座っててね」 キラが指差したのはリビングのソファ。 既にカップは三つ、ソファの前のテーブルに置かれていた。 「え…いいよ、私は…」 邪魔はしたくない、とカガリは首を横に振る。 「今から来るのは僕の親友なんだよ。まだ会った事ないよね…? この機会にカガリも仲良くなって」 キラに微笑み掛けられ、その言葉に上機嫌のカガリはソファに座る。 ───キラの親友。 どんな人なんだろう… キラに似て、優しい人なんだろうな、きっと… ソワソワしながらまだ見ぬ相手を思い浮かべていると訪問を告げるチャイムが鳴る。 |