暫くすると、来客を告げるチャイムが鳴る。 「おじゃまします」 キラが出迎え、リビングに足を踏み入れるその相手にカガリは驚愕する。 「カガリ。 僕の親友の、アスラン・ザラ君」 「で、この子が妹の、カガリ」 キラはお互いを紹介するがカガリは瞳を丸くし、開いた口が塞がらない。 アスランもこの事態に、苦笑いを浮かべている。 「…? ……二人とも…どうかした……?」 二人の雰囲気に気が付いたキラは首を傾げて問い掛けた。 ***** 「なんだぁ。 カガリの通ってる学校がアスランの勤務先だったんだね」 取り敢えず三人ともソファに座り、冷静さを取り戻したアスランが説明する。 カガリとキラが腰を下ろすソファと向かい合うソファにアスラン。 カガリはコーヒーに砂糖とミルクをたっぷり入れスプーンで掻き混ぜ、それに視線を落とし、一切口を開かず無言でいた。 「二人の名字って…違うよな…?」 アスランはふと気が付いた事を口にした。 「あ、うん。…幼い頃、両親が離婚して離れ離れだったんだけど…。四月から二人暮らし始めて…だから名字が違うんだ」 ねっ?っとキラがカガリに同意を求めるも呟くように「うん」と、一言の生返事。 俯いたままで一度も口を利かないカガリの顔を覗き込むキラ。 「どうしたの?」 「…別に…」 「アスランがカッコ良くて…緊張してる…とか?」 小さく首を横に振るカガリに、もしかして…と、からかい混じりに問い掛ける。 「まさかっ…誰がカッコ良くて、私が緊張するんだよっ!!」 その瞬間、大きな声を上げカガリはキラを睨んでしまう。 |