確かに見惚れてしまった瞬間があった、…だからこそ余計に苛々とし強く否定する。 「…そういうのは…目の前で聞くと…意外とショックだな…」 兄妹の遣り取りにポツリと呟き頭を掻くアスラン。 「ご、ごめん…アスラン。…ほらっ、カガリも謝って!」 キラは隣のカガリの腕を促すように軽く叩く。 しかし、カガリはプイッとそっぽを向いてしまう。 「カガリッ!」 ピシャッと怒った口調に変わるキラに、カガリはピクッと躯を竦ませるが態度は変えない。 「嫌われてるな…俺…」 自嘲気味のアスランはフッと溜息混じりに笑うと呟き、キラに向かい手を翳し待ったを掛ける。 「いいよ、キラ。教師なんかがいたら嫌な気分になるんだろう」 「でも…こんな行儀悪いのは…」 キラがアスランに申し訳ないと謝罪するとカガリの苛々は更に加速する。 「学校ではイイ子だよ。明るくて、みんな彼女を慕ってる」 『良い先生』お決まりの言葉を吐くアスランに、カガリはわざとらしく大きな溜息を吐き、ソファに深く腰掛けその上に膝を立てるように座り直し、顎を置く。 「もうッ、カガリ!」 行儀が悪いと声を上げるキラに対し、アスランは苦笑い。 |