「アスラン…。今日はごめんね…」 アスランの帰りがけに玄関の前でキラが呟くように口を開く。 「別に気にしてないさ。…帰ってきても怒るなよ?」 「そういう訳にはいかないよ…」 「キラの事、大好きなだけだろ?」 「…でも…」 「俺は生徒に人気ないからなぁ…」 お前の妹にも嫌われてるみたいだし?と、ポツリと呟くアスランにキラが吹き出す。 「アスラン誤解されやすいからね」 「相手が勝手にしてるだけだろ」 笑うキラに、アスランはムッと睨む。 「う〜ん…。理解するには時間が要るよ…きっと…」 腕を組み、首を捻るキラにアスランは頭を掻き苦笑いする。 「でも、カガリに優しくしてくれて、ありがとね」 「え……?」 微笑みながら伝えられたキラの言葉にアスランは疑問の声を投げ掛けた。 「そんなつもりは…」 「ううん、いいの。僕の妹だからって事は良く分かってるし。…アスラン気を遣ってくれたんでしょう?」 「いや…」 「だって、明らかに声が優しかったし。 …アスランって相手に興味がないと、いつもはもう少し冷たいじゃない」 「…………」 自分でも気が付いていなかった事を指摘され、アスランは押し黙った。 「…アスラン?」 「あ…あぁ、じゃあな」 「うん、またね」 名を呼ばれ、ハッと我に返りアスランは慌てて家を出た。 |