Secret×Lover

□Immoralities…??
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暫くキラの胸で泣いた後、カガリはベッドに横になっていた。

濡らしたハンドタオルをキラが渡してくれた為、瞼の上に当てる。

泣き腫らした瞳にその冷たさが気持ち良かった。

その間もずっと、キラはカガリの頭を撫でていた。


「キラ……」

「なぁに、カガリ?」

「……何も…聞かないのか…?」


ドアを開けた時から、様子がおかしいと思っているはずなのに、何も問い掛けてこないキラに呟くように口を開いたカガリ。


「…カガリが、話したくなったら…ね。…聞き出したくて、ドアを開けてって言った訳じゃないから…」

「…ごめんな…。心配掛けて…」

「謝らなくていいよ、僕のはお節介だから…」


自嘲めいた乾いた笑いを零すキラは優しい手つきのまま、頬を撫でた。







「…相手にされないって、辛いよな…」

「…カガリ?」

「気が付いたら好きになってて…、でもその相手は、私のことなんかなんとも思ってなくて…」


止まっていた涙が溢れ始める。


「…人を、好きになる事が…こんなに苦しいなんて、……知らなかった…っ…」

「…カガリ…」


カガリはキラに背を向けるように、壁側に向かって躯を倒してしまう。


「カガリは、その人に気持ちを伝えたの?」

「…だって、答えが分かってるのに…、伝えたって仕方ないじゃないか…」

「嫌いって言われた訳でもないのに?」

「それはっ……」


キラに言われた言葉に、反論できないカガリ。


そんなカガリの様子に、やっぱり…とキラは小さく溜息を吐く。



「ほら、こっち向いて!」


キラに促され、おずおずと顔を向けると少々乱暴に涙を指で拭かれて。

「もう泣かないの!
…次に泣くのはちゃんと伝えて、ダメだった時!」

「…でも…」

「でも、だって、とかは言っちゃダメ!」


厳しい言い方に、怒られているような錯覚に陥り、肩を竦ませるカガリ。




「…気持ちを伝えられないでまま終わらせて、後悔しないで…」

「キラ…?」


今度は優しく、頭を撫でながら、諭すように伝えられ、カガリはキラを見つめる。


「その方が、ずっと辛いんだよ…カガリ」



そう優しく告げる、キラの瞳は愁いを帯びていて、胸が締め付けられる思いがしたカガリ。けれど、それ以上は何も聞けず、黙ったまま静かにゆっくりと頷いた。








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