一人暮らしのマンションに帰宅したアスランはソファにドカッと身を沈める。 帰宅途中に、以前吸っていたものよりも強めの煙草を購入したアスランは、封を切り、火を点ける。 大きく吸ってゆっくりと息を吐きながら、背凭れに寄り掛かり天井を見上げる。 彼女の気持ちに、応える事なんて出来ない…。 俺は教師で、彼女は生徒。 ───許される関係じゃない。 例え、同じ想いだったとしても…太陽のようにキラキラ輝く彼女を、俺の為に背徳の世界に堕としてはいけないんだ…。 ―――判っている。 …その、はずなのに、 …割り切れないと、 ―――心が叫んでいる…。 …持て余す、この感情を、沈める為には、 ─── 一体、どうしたらいいんだ…? 繰り返し思い出すのは最後に見た、悲しみと怒りが入り混じった…あの顔…。 「…きっと、泣いてる…」 天井を見上げたまま、溜息混じりにポツリと呟く。 出来ることなら、その手を取って、抱き締めてあげたい。 けれど、そうしたら、 きっと、もっと泣かせてしまうことになる。 ───その先に、待っているのは、 誰にも祝福されない、 ───禁断の関係。 …そんな恋愛を、彼女にさせるわけにはいかない…。 |