アスランはカガリの唇を自らのそれで重ねると、ゆっくりと味わうように優しく啄むような口付けをする。 時折、唇を舐めると躯を震わせ息を吐く為に小さな口が開くが、それでも、舌を差し込んだりせずに、唇を重ねるだけの口付け。 ひとしきり味わいようやく満足したアスランが唇を開放すると深く息を吐き出すカガリは俯いてしまう。 「息の仕方、忘れちゃうくらい緊張した?」 荒い息をしているカガリに笑いを含んだ意地悪な問い掛けをする。 「…だ、って……は、じめて…だもッ…」 今にも泣きそうな声で呟くカガリの告白に、アスランは瞳を瞠る。 経験が少ないだろうとは思ったが、まさか、自分との口付けがファースト・キスだったとは思ってもなく。 申し訳ない気持ちで髪を梳くように優しく撫でる。 けれど、それ以上に嬉しさも込み上げてきてしまい顔が綻んでしまった。 「…カガリ、初めてのキスの感想は…?」 「き、聞くなよっ」 「じゃあ、二回目のキスは…?」 「…ノ、ノーコメントッ」 「知りたい」 「………」 既にどう答えていいか判らず黙ってしまうカガリ。 「…じゃあ、もう一回するから感想聞かせて?」 |